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「介護は寄り添い、伴走すること」と語った人

テレワーク、zoomの会議など、コロナ禍によって変わった働き方が話題になっていますが、私の仕事ではずいぶん前から仕事の担当者と直接会わずに仕事を進める、取材対象者と面と向かってお話を聞かずに記事にする等が一部では当たり前のことになっていました。

人を紹介していただく時も、LINEやメッセンジャーでグループを作って、「初めまして」のやり取りをしたり、Skypeでデザインの打合せをしたりと、良し悪し、好き嫌いは別として、それなりに作業的にはスムーズにいき助かることが多々ありました。

でも、振り返ってみると、何といっても一番変わったのは、原稿の執筆と提出方法。指にペンダコを作って、暑くても寒くても、雨が降っても直接依頼先に原稿を提出しに行ったことが懐かしいです。

それはそうと、どんなに状況が変わっても、私は直接の取材が大好きで、わざわざ足を運ばなくても事足りる事でも取材を続けてきました。

それが、このコロナ禍でできないのが、全くもってつまらないです。ただ、幸いなことが一つあります。取材をさせて頂いた方々のことを振り返る時間ができたことです。

そうした方々の事を思い出しながら、自分の書いた本を読み直していると、色々な思いがよみがえります。特に介護の方々が話して下さったことは、介護現場だけでなく、人としての考え方として共感を感じることがあり、お話を伺ってよかったとつくづく思います。

そこで、当分、取材することはできそうもないので、自分の本をひっくり返してい、取材させて頂いた方々を思い出しながら、心に残った言葉を紹介させて頂こうと思います。

まず今回は、12,3年前に取材させて頂いた、神戸ライフ・ケアー協会の理事長の神谷良子さん。神谷さんにはとてもお世話になりましたが、その後ご無沙汰していて申し訳ない限りです。

介護の仕事を始めたきっかけがボランティア募集の看板を見たことだったという神谷さん。「すぐ役に立つ 介護の基本と実践」(誠文堂新光社・2008年8月発行)の取材で、次のようなことを語って下さいました。

【本からの抜粋】「お年寄りは、その人なりのいろいろなものを持ってらっしゃるので、向き合うとなぜか癒されます。お年寄りの持っている時計と私たちの時計とでは時間が違うような気がして、そのお年寄りのゆったりとした時間に合わせると、この仕事のエネルギーをもらえるような気がします」神谷さんは人が老いていくプロセスの中で伴走者の役割をするのが介護だと言う。「人に寄り添うケアを通して、心と心が交流し、いい意味で重なり合う。その関りから、お年寄りがいきいきとして、生きる希望が出てくると思うんです。そして、介護をする側も元気をもらえます」

神谷さんのこの話を伺った時、私自身、認知症の母の介護に携わっていたことから、母とゆっくり過ごす時間を大切することを心がけるようになり、この言葉がずっと心の中に残っています。ボーっとしているときの母の時間の流れに合わせることは、なぜか心地良かったです。

 

 

 

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