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逃げない、避けない、振り返らない

雑用と掃除をしているうちに、年が明けてしまいました。でも、全く仕事をしていなかったわけではなく、年末に今年の6月に出版予定(一応)の認知症の本のための取材等はしていました。

お目にかかったのは、某有料ホームでかつて、ホーム長をしていた方です。今は本社の方でお仕事をしています。取材許可をいただいたのが本だけなので、名前、取材内容の詳細は避けておきますが、話の中で、認知症の入居者さんに対しては、例え、暴れても、不可解な行動をしても、避けたり逃げたりせずに、すべてを受け止めるようにしていたという話がとても印象的でした。

認知症の方に対して、よく対応している評判のよい施設等では、その人をチャンと受け止めて、とことん付き合うという話をよく耳にしますが、この方もまさに、同じ意見でした。時には、添い寝をしたり、何も言わずに優しく抱きしめたり…。

そこで、またまた思ったのですが、これ、専門職や他人は、その人のキャラにもよりますが、逃げずに受け止めることが、身内よりも、抵抗なくすることができるんですよね。身内の場合は、変わっていく親やパートナーを受け止めること、見守ることがなかなかできないと思います。「うちの親はこんなじゃない。なんかの間違いだ」と言って、現実から逃げ、本人を避ける…その結果、双方ともストレスがたまってくる…逆に変な風にぶつかったり、ますます避ける…そして、一旦、歯車が合わなくなると、ますます、お互いに病んでくることになってしまうようです。

また、昔を振り返って、こんな父親ではなかった、こんな母親ではなかった等と思うのも、身内ならではの悲劇につながる可能性が大です。よく認知症の患者さんに回想法といって、昔のことを思い出させる治療を行いますが、家族は昔のことを思い出して、こんなだった、あんなだったのにとは思わないほうがいい…昔に焦点を合わせないで、今現在の、その人を見つめたほうが、その人にとって、楽しい生活、生き方が見えてくるはずだからです。(介護職の人は逆に患者さんの過去は知った方がいいことは言うまでもありませんが)

かく言う私も、昔のきりっとした顔つきの母親の写真を見ると、あ~あと、しばしば複雑な気持ちになるのですが。

いずれにしても、認知症の患者さんを持つ家族の方は「逃げない」「避けない」「振り返らない」が、大切だとつくづく思っています。ちなみに、「逃げるが勝ち」なんていいますが、認知症の家族の対応だけでなく、政治等の物事も、多くの場合、最終的には「逃げない」「避けない」は必要なんですよね。

 

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